大基金の誕生は10年前に遡る。中国国務院は2014年6月、国内の半導体産業の育成強化を図る「国家集成電路産業発展推進綱要」を発表。それを受けて、大基金の1号ファンドが2014年9月に設立された。
1号ファンドの規模は1387億2000万元(約3兆60億円)、2019年10月に設立された2号ファンドの規模は2041億5000万元(約4兆4240億円)に上った。それらの資金は中国の半導体関連企業に直接投じられるだけでなく、元禾璞華、武岳峰基金、中芯聚源など複数の半導体投資ファンドのマザーファンドとしても活用されている。
汚職スキャンダルの影響残る
ところが、発足から8年後の2022年7月、大基金は深刻なスキャンダルに見舞われた。前出の丁文武氏や当時の総裁(会長職に相当)の路軍氏を含む多数の関係者が汚職容疑で拘束され、半導体業界に衝撃を与えたのだ。
今回設立された大基金3号ファンドは、具体的な投資先がまだ明らかにされていない。しかし上述の事件の影響により、投資方針はより慎重にならざるを得ないと、業界関係者の多くが予想する。
あるハイテク分野の機関投資家は、大基金3号ファンドのあるべき方向性について次のようにコメントした。
「技術的に成熟して市場競争が活発な分野よりも、(中国の)半導体産業の弱点を解決するための投資に重きを置くべきだ。長期的な将来を見据えて、忍耐強く投資することが求められる」
(財新記者:覃敏)
※原文の配信は5月27日
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