記憶力が落ちた大人の脳を抜群に働かせるコツ 視覚・聴覚・思考系の基礎体力をどう高めるか

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(イラスト:うのき)
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大人になってから資格取得や昇格・昇給試験のための勉強や学び直しを始めている人も多いだろう。そのうちのどれくらいの人が最初のモチベーションを維持し、目標を達成しているだろうか。三日坊主になってしまったり、自分なりに頑張ったつもりなのに結果が結びつかなかった人も少なくないはずだ。
一生頭がよくなり続ける もっとすごい脳の使い方』を上梓した脳内科医の加藤俊徳氏は、脳にも基礎体力があるという。大人こそ身につけたい記憶力・理解力・集中力を底上げさせる脳の基礎体力のつけ方について5回連載で解説。最終回は大人脳の基礎体力のつけ方を掘り下げます。

トレーニング次第で目と耳を育てられる

視覚系は他の脳番地と比べて一瞬のうちに仕入れる情報の量が圧倒的に多いです。そして視覚系が入手する情報の量、質、精度は、トレーニングによって向上させることができます。

視覚系脳番地のファイアリング(ニューロンの発火)を強くするトレーニング法として、物事をゆっくり、注意深く見ること、眼球をよく動かすこと、波や雲など、流動的に形が変わるものを見ること、インテリアについて考えるなど空間や奥行きを意識することが挙げられます。これによって、視覚系の注意力が高まります。

サッカーやテニス、バレーボールなどの球技では、ライン際の判定がとても難しいものですが、そのスポーツの経験者やテレビ観戦が趣味の人であれば、インかアウトかの判定を瞬時にできる場合があります。

しかし、全く興味のない素人が見ても判断がつきません。 同じものを見ているはずなのに、キャッチできる情報量が人によって異なるのは、見ている人の“注意力”に影響されやすいため。つまり、よ〜く注意を向けて見ることが大切です。

聴覚系脳番地は、耳で聞いた言葉や音を自動的にファイアリングして、情報を脳に集積させます。

聴覚系が仕入れた情報は、視覚系よりも優位に記憶系にアクセスするという特徴があります。

つまり、大人脳の勉強法において、聴覚系のファイアリングをコントロールすることはとても重要なのです。

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