記憶力が落ちた大人の脳を抜群に働かせるコツ 視覚・聴覚・思考系の基礎体力をどう高めるか

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とにかく、あっちにもこっちにも影響される思考系は、自分でも気づかないうちに勝手にファイアリングをして、いつの間にか色々なことに支配されて、いつも疲れています。

そのことをまずは認識して、今、自分の思考系のバッファはどのくらい残っているのかを意識するようにしてみましょう。

勉強に集中して取り組みたい、自分とじっくり向き合う時間が欲しい。そんなときには、入力系ファイアリングのトリガーとなる音、匂い、目に入ってくるものを極力減らすようにするのがいいでしょう。

時間で区切って考えると脳は働きやすくなる

思考系をファイアリングさせて強化したい場合のキーワードは、「対比」と「時間軸」です。対比するものがあると、思考系はファイアリングしやすい特徴があります。

『一生頭がよくなり続ける もっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

何か悩みがあるのであれば、今の状況を点数化する、考えていることを書き出して見える化をすると、それをどう改善していきたいかの対比が明確となって、思考系が働きやすくなります。

もう1つのキーワードである「時間軸」は、時間的に階層を分けて考えることでファイアリングしやすくなることを利用します。

時間を“見える化する”ことがポイントです。

特に、思考系のファイアリングに欠かせないのが、好奇心や未来への希望です。未来のスケジュールを立てることで思考系はファイアリングしやすくなります。

私自身のことで言えば、【1日】起きてから寝るまでのスケジュール、【1週間】週の平均歩行距離・平均睡眠時間、【1カ月】クリニックの運営について、さらに、自分自身のことについて1年後、3年後、5年後の長期計画で考えています。

思考系は「これをやるぞ」と決めたことに対しては、社長らしく他の脳番地たちに命令を出すことができますが、あやふやなままだと理解系や記憶系との連携も空回りして物事が進まなくなってしまいます。

いきなり中期的、長期的な目標を立てても、内容がぼんやりしていると結局三日坊主に終わるのもこのことが原因。 【1日】や【1週間】などの短い期間でのスケジュールを立てると、他の7つの脳番地社員を動かしやすくなります。

加藤 俊徳 医学博士/「脳の学校」代表

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かとう としのり / Toshinori Katou

脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳科学・MRI 脳画像診断の専門家。1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科で脳画像研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。加藤式MRI 脳画像診断法を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。得意な脳番地・不得意な脳番地を診断し、脳の使い方の処方を行う。著書に、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『一生頭がよくなり続けるもっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)、『1日1文読むだけで記憶力が上がる!おとなの音読』(きずな出版)など多数。

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