「病的な先延ばし」から抜け出せない人"3大"盲点 精神科医・禅僧がすすめる「無心になる」練習

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これを習慣化すると、いつでも「今、この瞬間」やるべきことに、意識を集中できるようになるのです。

【盲点③】意識を「理屈」で変えようとしている

こうした修行を経て、禅僧はよい意味で「バカ」になっていきます。

言い換えれば、修行を積んだ禅僧とは「臨機応変に動ける人」そのもの。

常にモメンタムが高い状態を維持しています。

私の先輩で、長く老師(禅の指導的立場にある人)の付き人を務めた方は、日頃は穏やかでのんびりして見えるのですが、遠くで老師が何か探し物をしているのが視界に入るや否や瞬時に駆け寄り、必要としている物を差し出していました

もちろん、その時々で入り用なものは異なります。

法要前なら仏具、食事中なら食器や調味料、身支度をされているときなら衣服やカバンと多岐にわたるのですが、老師が何を言うわけでもないのに、その先輩はいつも的確に応じられていて、とても感銘を受けたものです。

大切なのは、頭(理屈)から入るのではなく、身体から入ること

意識を変えたければ、行動から変えることです。

思えば、日本人が昔から「文武両道」を重んじてきたのも、同じ狙いがあったのかもしれません。

勉強ばかりではモメンタムが落ち、行動できなくなる恐れがあるところ、運動によってドーパミンの分泌を促し、モメンタムを維持する。

禅僧は、文武両道の達人、ともいえそうです。

私自身はまだまだ修行半ばの身ですが、そうなれるようにこれからも精進してまいる所存です。

働く羊のイラスト
マインドフルネス+モメンタムを実践すると、臨機応変に動ける人に変わる(イラスト:『「心の勢い」の作り方』より)
川野 泰周 臨済宗建長寺派林香寺住職/精神科・心療内科医

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かわの たいしゅう / Taishu Kawano

精神科医・心療内科医/臨済宗建長寺派林香寺住職。精神保健指定医・日本精神神経学会認定精神科専門医・日本医師会認定産業医。一般社団法人日本モメンタム協会理事。
1980年横浜市生まれ。2005年慶応義塾大学医学部医学科卒業。臨床研修修了後、慶応義塾大学病院精神神経科、国立病院機構久里浜医療センターなどで精神科医として診療に従事。2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職となる。
現在、寺務の傍ら都内及び横浜市内のクリニック等で精神科診療にあたっている。

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恩田 勲 JoyBizコンサルティング代表取締役社長/一般社団法人日本モメンタム協会理事

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おんだ いさお / Isao Onda

1957年生まれ。1982年日本大学法学部法律学科卒業。
卒業後国内最大手の民族系コンサルタント会社にて営業職を経て行動科学理論を基軸においた人材開発を主としたコンサルタントとして活動。2008年に実務を経験すべく大手機械商社の経営企画部門に転職した後、2009年JoyBizコンサルティング株式会社を設立し、組織開発を主としたコンサルティングを手掛ける。
現在はクライアント企業の経営陣を対象としたコンサルテーションや人材や組織を活性化させるオリジナルのプログラム開発を行っている。。

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