働く人が身につけたい「自己ブランディング」方法 ブランディングデザイナー西澤明洋さん直伝

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コンセプト(C)を決める

自分がフォーカスしたいことを、コンセプトとして言語化する。このブランドコンセプトは、自分の強みと差異化要素を短く、端的に表すものにすること。

西澤さんがブランディングデザインを担当したCOEDOビールのコンセプト「Beer Beautiful」。短い言葉で強みと差異化ポイントを表す

「ブランドの価値は人から人へ伝わって世の中に浸透していきます。そのためにはあなたというブランドを他者と差異化し、伝播させる言葉が必要です。

プランを立てるときに探した独自のポジションを、人々の記憶に残り、口コミしやすいシンプルな言葉にしてください。具体的には1単語や1文程度の短い言葉です。

加えて情報が伝播していくあいだに意味を取り違える人が出てこないように、ブランドコンセプトの意味を正確に記したブランドステートメントを用意します。こちらは大体300~500文字ぐらいの文章としてまとめます」

いよいよブランドのコンセプトを具現化する

デザイン(D)を整える

今までのプロセスで決めたプランやコンセプトを基に、ブランドのコンセプトを具現化する。

「企業のブランディングデザインであれば、このプロセスで『事業計画』と『ブランド名』をつくります。私は個人の方でも同じだと思います。

なぜなら中期や長期の事業計画を持つことで、現在何をすべきかを明確にできるからです。例えば、30代のビジネスパーソンが40代でも同じ会社や働き方で満足できる場合は、このプロセスは不要かもしれません。

しかし、将来管理職になりたい、特定の年収を得たい、あるいは働き方を変えたいという目標や希望を抱いているなら、あらかじめそのような将来像を描いておくことが重要です。

そして企業の場合はブランド名を考えます。これをセルフブランディングに応用した場合、私は『オリジナルの肩書』を考えることをおすすめします。私自身も、自分で自分に『ブランディングデザイナー』という肩書をつけ、日本で最初に名乗りをあげているんですよ。

肩書をつけることで、その肩書にそぐわない仕事は来なくなるでしょう。それは最初のうちは怖いかもしれませんが、自然と自分の強みにフォーカスすることになり、あなたの価値がブランドとして伝わりやすくなります」

事業計画を作ることで今後の仕事の展望を、新しい肩書をつけることで自らのポジションを、「見える化」する。デザインというと、ビジュアルのデザインを思い浮かべるが、ブランドという抽象的な概念もまた、デザインすることができるのだ。

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