働く人が身につけたい「自己ブランディング」方法 ブランディングデザイナー西澤明洋さん直伝

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「重要なのは市場の文脈に自分を合わせるのではなく、自分自身が持つ本質的な価値を見つけ、市場のなかで居場所を創ること。その探求が最優先なのです。

私の仕事は、その探求に伴走し、そこで見つけた価値を広めることです。そのためにビジネスの商流のなかで潜在的ニーズが見込めそうなポジションを見つけ、そこにフィットする建て付けや、コミュニケーションの方法を考えます。

こういったブランディングデザインのノウハウは、ビジネスパーソンのセルフブランディングにも活用できると思いますよ」

多くの人は、就職活動以降、自己分析をする機会を持たずに社会の文脈に自らを合わせたキャリアを歩んでいるのではないだろうか。自らの本質的な価値を発見し、それを市場で位置づけることは容易ではない。ただ、西澤さんによれば、ブランディングデザインを構築するための、フレームワークが存在するという。

「フォーカスRPCD®︎」を体験

西澤さんはブランディングのための独自のフレームワークを持っており、『ブランディングデザインの教科書』(パイインターナショナル)『新・パーソナルブランディング──独立・起業を成功させる18のステップ』(宣伝会議)などの著書にまとめている。今回は東洋経済オンラインの読者のために、セルフブランディング用にフレームワークのエッセンスを解説してもらった。

「実際のパーソナルブランディングのステップは18に細分化されるのですが、概念としてはリサーチ(R)、プラン(P)、コンセプト(C)、デザイン(D)の4つの枠組みとして図示できますそれを私は『フォーカスRPCD®︎』と呼んでいます」

「フォーカスRPCD®︎」の概念図(画像提供:エイトブランディングデザイン)

「フォーカスRPCD®︎」の4つの枠組みとは、それぞれどのようなものなのだろうか。

まずはフォーカス(F)することを決める

ブランディングのコツは、一点にフォーカスすること。あれもこれもと欲張ると、焦点がぼやけてしまう。自分の強みがあって、情熱を持てることをブランディングの中心に据えよう。このときフォーカスすると決めたことは、以降のRPCDのプロセスで常に意識し、ブレないようにする。

「自分が強みだと思うこと」と「他者から褒められたこと」の重なる部分がフォーカスポイントになりうる(画像提供:エイトブランディングデザイン)

「自分が強みだと思うこと、他者から褒められたこと、それぞれを書き出してみると、フォーカスポイントを決める際の参考になります。自己認識と評価が一致している部分はあなたの強みであり、さらに成長する可能性が高いこと。また自分では強みだと思わなかったけれど、褒められるところには他者との差異化ポイントが隠されているかもしれません」

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