「痛いセルフブランディング」しちゃう人の盲点 「SNSでのキャラづくり」の前にやるべき本質

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「セルフブランディング」と検索しようとすると、「痛い」という単語がサジェストされる(画像:Googleより)
「社会人になってから長い間『暗黒時代』が続きました。そこから抜け出せたのは、『生きる知恵としてのマーケティング』のおかげです」
数々のグローバル企業でマーケターとして活躍している井上大輔氏は、自らの経験を振り返って語る。
「マーケティングのエッセンスを『生きる知恵』として人生に活かせば、仕事・キャリア・プライベートのすべてで『求められる人』になれると気づいたんです」
そんな「生きる知恵」を解説する書籍『マーケターのように生きろ:「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』を上梓した井上氏に、「セルフブランディング」にまつわる誤解を解説してもらう。

「セルフブランディング」というカオスな言葉

「セルフブランディング」と聞いて、何を思い浮かべるでしょう。

Googleで「セルフブランディング」と検索しようとすると、「痛い」という組み合わせキーワードが提案されます。それだけ多くの人が検索している、ということです。出てくる記事などを読むと、セルフブランディングとは、この文脈では「SNS上のキャラづくり」を意味していることが多いようです。

『マーケターのように生きろ:「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

「セルフブランディングのプロデューサー」を名乗る人物から、書籍の自費出版を持ちかけられたという経営者の知人がいます。書籍出版のオファー=社会的な信頼と考える人が多いので、そんな信頼感を自費出版で擬似的につくりだしましょう、という提案のようです。

いずれの用法にも共通しているのが、実態のないものを無理やりあるように見せる、という「裏技」のような考え方です。

しかし、実態のない「キャラ」や「信頼感」で成り立っているブランドなど、実際の企業や商品においては存在しません。一時的にはありうるかもしれませんが、そのようなブランドは砂上の楼閣ですぐに崩れ去ります。

ありもしないものをでっち上げるのはブランドづくりとは言えず、その意味での「セルフブランディング」は乱暴な言葉づかいだと言わざるをえません。企業でも個人でも、本当の意味でブランドになることを目指すのであれば、「実態を伴う」必要があることは言うまでもありません。

それでは名だたる企業や商品のブランドを支えている「実態」とは、いったい何なのでしょうか?

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