仕事の超基本「お客の声を聞く」の正しい考え方 意外と知らない鉄則「お客の声は2段階で聞け」
ヘミングウェイの教え「真実の1文から始めよ」
アメリカの国民的作家アーネスト・ヘミングウェイは、回想録『ムーバブル・フィースト』の中で、自身の創作の秘密に触れこんなことを言っています。
「真実の1文から始めよ」
ヘミングウェイは『老人と海』などで知られる小説家です。つまりフィクションの作家なのですが、物語の出発点は、創作ではなく常に1つの真実であるべきだと主張しているのです。
これは、マーケティングの教えにも通じるところがあります。マーケティングの言葉に翻訳すると、こうなるでしょう。
「1人の顧客の真実から始めよ」
ビジネスでは通常、顧客を「セグメント」と呼ばれる大きなくくりでとらえて考えます。「20代の男性」「年収1000万以上の高所得層」などです。しかし、実際には、そうした集団はこの世に存在しません。企画者が勝手につくり上げた架空の集団、いわばフィクションなのです。
新規ビジネスの企画でも、広告の企画でも、出発点は常に実在する本当のお客さん、1人の顧客の真実であるというのが、マーケティングの賢人たちが教えるところです。
実際に、消費財大手では、お客さんとの1対1のインタビューを頻繁に行います。お客さんのお住まいに訪問し、自宅でインタビューを行う「ホームビジット」という調査も珍しいものではありません。
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