仕事の超基本「お客の声を聞く」の正しい考え方

意外と知らない鉄則「お客の声は2段階で聞け」

「お客の声を聞く」――口で言うのは簡単な「仕事の超基本」ですが、「ただ聞けば、それでいい」わけではないのが難しいところです(画像:kou/PIXTA)
「社会人になってから長い間『暗黒時代』が続きました。そこから抜け出せたのは、『生きる知恵としてのマーケティング』のおかげです」
数々のグローバル企業でマーケターとして活躍している井上大輔氏は、自らの経験を振り返って語る。
「マーケティングのエッセンスを『生きる知恵』として人生に活かせば、仕事・キャリア・プライベートのすべてで『求められる人』になれると気づいたんです」
そんな「生きる知恵」を解説する書籍『マーケターのように生きろ:「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』を上梓した井上氏に、仕事の「基本中の基本」である「顧客の声を聞く」の有効な方法を解説してもらった。

ヘミングウェイの教え「真実の1文から始めよ」

アメリカの国民的作家アーネスト・ヘミングウェイは、回想録『ムーバブル・フィースト』の中で、自身の創作の秘密に触れこんなことを言っています。

「真実の1文から始めよ」

ヘミングウェイは『老人と海』などで知られる小説家です。つまりフィクションの作家なのですが、物語の出発点は、創作ではなく常に1つの真実であるべきだと主張しているのです。

『マーケターのように生きろ:「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

これは、マーケティングの教えにも通じるところがあります。マーケティングの言葉に翻訳すると、こうなるでしょう。

「1人の顧客の真実から始めよ」

ビジネスでは通常、顧客を「セグメント」と呼ばれる大きなくくりでとらえて考えます。「20代の男性」「年収1000万以上の高所得層」などです。しかし、実際には、そうした集団はこの世に存在しません。企画者が勝手につくり上げた架空の集団、いわばフィクションなのです。

新規ビジネスの企画でも、広告の企画でも、出発点は常に実在する本当のお客さん、1人の顧客の真実であるというのが、マーケティングの賢人たちが教えるところです。

実際に、消費財大手では、お客さんとの1対1のインタビューを頻繁に行います。お客さんのお住まいに訪問し、自宅でインタビューを行う「ホームビジット」という調査も珍しいものではありません。

次ページ「ホームビジット」で「1人の顧客の真実」を見つける
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