「鬼滅の刃」大ヒット支えた日本人の新しい信仰 「好きなことして生きていく」の次に来る価値観
「社会人になってから長い間『暗黒時代』が続きました。そこから抜け出せたのは、『生きる知恵としてのマーケティング』のおかげです」
数々のグローバル企業でマーケターとして活躍している井上大輔氏は、自らの経験を振り返って語る。
「マーケティングのエッセンスを『生きる知恵』として人生に活かせば、仕事・キャリア・プライベートのすべてで『求められる人』になれると気づいたんです」
そんな「生きる知恵」を解説する書籍『マーケターのように生きろ:「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』を上梓した井上氏は、「昭和までの全体主義」「平成の個人主義」に続く「新しい価値観」が萌芽しているという。「マーケターのような生き方」とも言えるその価値観を解説してもらった。
『鬼滅の刃』大ヒットの裏にある「価値観の変化」とは
国民的な大ヒットとなった『鬼滅の刃』ですが、プロトタイプにあたる『鬼殺の流』では、別のキャラクターが主人公だったことをご存じでしょうか。
その後、さまざまな考察を経て最終的に「竈門炭治郎」が世界の中心にすえられたのだと思いますが、往年の少年ジャンプファンの目には、この主人公は少し異色に映ります。
これまでのジャンプ漫画であれば、主人公は型破りながら愛嬌があり、どこか奇跡を起こしてくれそうな「我妻善逸」でしょう。『スラムダンク』で言うと「桜木花道」です。
対して炭治郎は、常識人で思いやりがあり、チームのために奉仕する従来の名脇役タイプです。同じく『スラムダンク』で言うと、「木暮先輩」でしょうか。
この炭治郎のキャラクター設定は、しかしこの令和の時代を見事に写し出しています。その裏にあるのは「日本人の新しい信仰」なのです。
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