病気、育児、介護、学業など、さまざまな理由で働くことができない時期がある人は少なくありません。そんな離職・休職期間は、日本では「履歴書の空白」と呼ばれ、ネガティブに捉えられてきました。
しかし、近年そうした期間を「キャリアブレイク」と呼び、肯定的に捉える文化が日本にも広まりつつあります。この連載では、そんな「キャリアブレイク」の経験について、さまざまな方にインタビュー。メリット・デメリットを含め、その実際のところを描き出していきます。
生産的”ではない”時間に身を浸す場
業務では昨日よりも高い成果を、休みの日にも仕事上のスキルアップにつながる活動を――。
より高い成果を出すことや、生産性の向上を強く求める職場で働く人は少なくないだろう。そうした環境の中では、一見生産的ではないと思えるような時間を過ごすことが難しくなることがある。
しかし世界に目を向けてみれば、あえて生産的ではない時間にどっぷりと身を浸す学びの場がある。それが「フォルケホイスコーレ」だ。
デンマークで生まれ、世界に広がるこの教育機関では、必ずしも仕事に役立つことを学ぶ必要がない。17歳半以上なら誰でも通え、テストなし、評価なし。「人生の学校」とも呼ばれ、近年では日本人も通うようになっている。
そこには、成果主義、効率主義にとらわれた私たちが見落としている何かがあるかもしれない――。そう考えた筆者は、日本の大企業を辞めたのち、2カ月間フォルケホイスコーレでの生活を経験した松尾明子さんに話を聞くことにした。
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