「膝痛」で悩む人が知らない正しい立ち方・座り方 スクワットやウォーキングが原因になることも

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関節には2つ(もしくはそれ以上)の骨が連結されていて、関節をまたいで骨にくっついている筋肉が収縮することで、腕や脚が伸びたり、曲がったりします。

筋肉や骨に過度な負担がかかれば炎症や肉離れ、骨折が起こりますが、休ませればいずれ炎症は治まり、筋肉や骨はその後のトレーニングによって元の状態(あるいはそれに近い状態)まで戻すことが可能です。

しかし、関節の場合は、休養によって炎症が治まることがっても、鍛えることができないため、自然に元の状態に戻るということはありません。

つまり、安静時や体を動かしたときに「イテテテ……」と痛みが出ない健康で快適な生活を送るためには、いかに負担を最小限に抑え、長持ちさせるかがカギとなります。

最も消耗するのが膝の関節

関節の中でも負担が大きく、炎症や消耗を起こしやすい関節の1つが、膝関節です。それは、重力に逆らって重い体を支えているからです。しかも、典型的な関節は一方の骨の末端が他方の骨の末端にカチッとはまる構造となっているのに対し、膝関節は脛(すね)にある脛骨(けいこつ)の上に太腿の大腿骨がポンと乗っている形になっているため、不安定な構造をしています。

また、脛骨はほぼ床と垂直ですが、大腿骨は少し外側に傾いた状態となっています。角度がついているのは、私たちは1本の脚でも安定して立つことや、安定して歩いたり走ったりすることを可能にするためです。

この大腿骨と脛骨がなす角度(FTAアングル)の正常値は176度で、これが180度以上になると膝が外側に開いた、いわゆる“O脚(外反膝)”という状態になります。こうなると膝関節の内側にかかる圧力(圧縮力)が高まって炎症を起こしやすくなり、消耗が進んでしまいます。

正常な膝関節(左)では膝の軟骨に均等に負担がかかるが、外反膝(右)になると膝関節内部の内側にかかる圧力が高まって軟骨がすり減りやすい(イラスト:koti/PIXTA)

O脚とは反対に、大腿骨と脛骨の角度が小さくなって、膝が内側に入った状態がX脚(内反膝)です。こちらは膝関節の外側にかかる圧力が高まり、やはり膝の消耗を速めます。

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