「膝痛」で悩む人が知らない正しい立ち方・座り方 スクワットやウォーキングが原因になることも

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立っているときに足を交差させたり、一方の足もしくは両方の足の内側を浮かす(外側だけ床に着ける)のも、足の外側に体重を乗せるクセがついてO脚を招くので、すぐにやめましょう。

立ち作業だとどうしても片方の足に体重をかけがちですが、このクセも体重をかけたほうの膝関節の消耗を早めることになります。左右均等に体重をかけて、膝の健康寿命を伸ばしましょう。

スクワットで膝痛になることも

膝関節の負担を減らすには、太ももの大腿四頭筋を鍛えることも必要です。ここを鍛えると膝関節の安定性が高まり、歩行時の横ブレが抑えられ、膝関節の炎症が起こりにくくなるからです。

大腿四頭筋を鍛える代表的なエクササイズとして、スクワットが知られていますが、ただスクワットを頑張ればよいわけではありません。やり方を間違えると、かえって膝関節を傷めることになりかねません。

ジムなどでは、スクワットは足を肩幅もしくはそれ以上に開いて、つま先を外側に向けた状態で実施するように指導されます。確かに、こうすると支持基底面が広がって安定性が増し、体を持ち上げやすくなります。反面、実施時に膝関節の内側にかかる圧が強まります。また足幅が広く、つま先が外を向き、足の外側に体重がかかる悪いクセもつきやすくなります。

トレーニングでは筋肉に負荷をかけても、関節に負担をかけてはいけないのです。

足幅はできるだけ狭く、できれば両足を揃えて、つま先を正面に向け、足の親指側(内側)を意識して屈伸することで、膝関節の負担を最小限にしながら、大腿四頭筋に効かせることができます。このやり方は後ほどエクササイズで紹介します。

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ウォーキングやランニングも心肺機能を向上させ、生活習慣病を予防する大変有益な有酸素運動ですが、フォームを誤ると膝関節を傷めてしまいます。多いのは右足と左足の幅が広く、つま先が斜め外側を向き、足の外側に体重が乗ったフォームです。こうすると当然、膝の内側の圧が増大します。

膝が斜め外側に出た状態になると、太腿の横にある腸脛(ちょうけい)靭帯と膝の外側にある大腿骨外側上顆(がいそくじょうか)の摩擦が大きくなって、膝の外側にも炎症、痛みが起こりやすくなります。これは「ランナーズニー」といわれ、多くの市民ランナーが抱える悩みです。

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