「有名舞台の主役降板→東大合格」彼が貫いた執念 未来和樹さん「挫折は悪くないと気づけた」

✎ 1〜 ✎ 28 ✎ 29 ✎ 30 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

こうして高校2年生の秋に東大受験を決意した未来さん。しかし、高校1年生の範囲を一から勉強しなければならないにもかかわらず、残された時間が1年半しかありませんでした。そのため自分のペースで進められる独学という選択をとり、効率的にハイスピードで勉強を進めていきました。

「最初のうちはひたすら本屋やネットで東大受験の情報を調べ続け、勉強方法をゼロからインプットしていくことを繰り返していました。勉強しながら、つねにこのやり方でいいのかと考えるようにしていて、試行錯誤しながら10時間以上部屋にこもってひたすら勉強する日々を送りました」

ビリー・エリオット
受験生時代の未来さん(写真:未来さん提供)

効率のよいやり方を考えながら突き詰めて勉強を続けた結果、未来さんは高校3年生の秋、E判定しか取れなかった東大の模試で、C・B判定が出るようになりました。

しかし、この年の受験は残念ながら20点差で落ちてしまいます。後期試験で九州大学には合格していましたが、それでも浪人をすることを決断します。

それは、「一度自分で決めたことは成し遂げる」という彼の確固たる信念があったからでした。

東大以外行かないと決めていた

「東大以外行かないと決めて勉強していました。自分のすべてを捧げて勉強をしてきたのですが、合格発表で落ちていたのを知ったあと、幸いそこまでつらくなかったんです。また来年もチャレンジできるから、そこで挽回できると思っていました」

また、落ちた理由についても分析をしたところ、「楽しむことを忘れていた」ことに気づいたそうです。

「落ちた理由はいろいろありますが、1年ちょっとの期間で東大に挑むために『間に合わせなきゃいけない』という意識が強すぎて、勉強することの楽しさを忘れていたことが大きいと思います。何をするときでも、しっかり自分が楽しむことが大事なのかなと反省しました」

そう考えた未来さんはそれまで自分がずっとやっていた自宅での独学というスタイルをやめました。地元の予備校の特待生試験に通ったため、講義より自習室を利用する目的で通うことを決めます。そこで初めて東大志望の友達ができた未来さんは、だいぶ心が軽くなったようです。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事