何が彼を東大へと駆り立てたのでしょうか。浪人したことで人生にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。現役東大生ミュージカル俳優の彼の人生に迫っていきます。
未来さんは熊本の大自然の中で生まれ育った、活発な子どもでした。
「小さい頃から歌ったり踊ったりするのが大好きで、『ドラえもん』の曲が流れたらキャラクターになりきって演じたりしていました。母親も、やりたいことをなんでもやらせてくれる教育方針だったので、童謡の勉強やアルゼンチンタンゴ、バレエなどを習わせてくれました。そうやって長所を伸ばす教育をしてくれて、本当に感謝しています」
こうして好きなことを応援してくれる家庭で伸び伸びと育った未来さんは、成績もよかったそうです。
「中学校までの成績はよかったです。一学年が100人くらいの学校なのですが、いつも成績はトップでした。それでも、親に『勉強しろ』と言われたことはありません。子どものうちはしっかり遊べと言われていたので、遊び呆けていました。夏休みは最後の2日で、慌てて宿題を片付けていたんです」
算数は遊びの一環で解いていた
しかし、未来さんはその教育方針が逆に成績につながったと感じています。それは勉強を強要されなかったため、楽しみながら学べたそうで、「勉強することはゲーム」だと思えたことが大きいようです。
「算数は遊びの一環で解いていましたし、本を読むのも好きで、毎週10~20冊を家でひたすら読んでいました。歩きながら本を読んでいて怒られたこともあります(笑)」
そんな未来さんは、中学2年生を迎えるころに人生の転機を迎えます。それは、有名ミュージカルのオーディションで主役を勝ち取ったことでした。
「ロンドンのウエストエンドでミュージカル化された『ビリー・エリオット』の日本公演のオーディションを受けたんです。男の子がプロのバレエダンサーを目指す話で、3時間出ずっぱりのハードな役なのですが、応募者1346人の中からオーディションを勝ち抜いて主役になったんです」
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