「有名舞台の主役降板→東大合格」彼が貫いた執念 未来和樹さん「挫折は悪くないと気づけた」

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情報も受験仲間もいない中、どうやったら受かるかもまったくわからない中で孤独に受験勉強をしていた未来さんにとっては、環境を変えたことは大正解でした。

「僕は浪人が決まった時、現役時代の苦労を思い出すため、家の机で勉強することがトラウマになっていました。同じことをもう1年続けるときっと自分は壊れてしまうと思っていたので、一緒の目標に向けて頑張っている人がいる場所はとても救われましたし、自分も頑張ろうって思えるようになりました」

「勉強を楽しむ」感覚を取り戻すためにメリハリをつけて勉強することを意識したこの1年は、前年は10時間していた勉強を、8時間程度に減らし、量より質を重視する作戦をとります。週1回ダンスのレッスンに行ったり、1日1回30分くらい近くを散歩したりして、勉強以外のことを考える時間も作りました。

この方針によって、勉強の楽しさを思い出し、吸収力を高めることに成功したそうです。こうして未来さんは、この年の模試でずっとA判定をとり続け、合格者平均ほどの点数で東京大学文科II類に合格しました。

また、英語に関しては東大合格後に合格者の上位1割の成績を取っていたことが判明し、言語の特別クラスに入ることができたほどの成績を残したそうで、たしかに成長を実感できた1年だったようです。

挫折は悪いことではない

こうして浪人生活を終えた未来さん。彼は浪人してよかったことについて、「挫折するのは悪いことじゃないと気づけた」と話してくれました。

「僕は『ビリー・エリオット』を降板したとき、人生でいちばんの挫折を経験しました。だから、同じように自分のすべてを捧げた受験に失敗したら、立ち直れないほどつらいことになると思っていたんです。でも、実際はそうではありませんでした。

おそらく、そこまでの挫折を味わわなかったのは、ビリーのときに取り返しのつかない挫折を経験した一方で、受験はビリーのときと違って何回もチャレンジできるから、あのときに比べたら全然大したことないなと思うことができたからなんです。くじける経験をしたことで、何かに挑戦するための心理的ハードルも下がりますし、できるならいくらでもすればいいと今では思っています。だから、そうした経験は悪いことではなくて、ラッキーなことだと気づくことができました

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