「有名舞台の主役降板→東大合格」彼が貫いた執念 未来和樹さん「挫折は悪くないと気づけた」

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中学3年生のときに主人公・ビリーを舞台で演じ始めた未来さんは、本格的にプロの舞台で活動するようになります。それからは、ミュージカルや自身がプロデュースするライブコンサートの出演のため、熊本と東京を行ったり来たりする日々が始まりました。

順風満帆とも思える俳優生活。しかし、大事な『ビリー・エリオット』の舞台で彼は、人生でいちばんの挫折を経験します。

「本番途中で膝を痛めてしまって、踊れなくなったんです。そのため、残りの公演を降板することになってしまいました。僕の演じるビリーを楽しみにしてくださっていた方もいるのに、そういう方々の期待を裏切ってしまったんです。2年間、この舞台にすべてを捧げてやってきたのに、中途半端な状態で終わってしまったことが本当に悔しかったです」

挫折を経て、通信制高校への進学を決意

しばらく挫折を引きずった未来さんは、それでも膝の治癒とともに少しずつ立ち直って、舞台にも立てるようになっていきます。高校進学の際にも、芸能活動を重視するために熊本の通信制高校に進学することに決めました。

「ありがたいことに絶え間なく仕事が続いていて、本番の期間に入るとそれだけに集中していました。ですので、高校では高校2年生の中盤までまったく勉強をしませんでした」

1つのことに全力を注ぐ未来さんの舞台出演が一段落したのが高校2年生の秋。音大・藝大の声楽科に進むか、勉強して普通の大学に進むかで悩んだそうです。悩んだ末に彼は、東大を目指すことに決めました。

「音大や藝大ではない大学を受験しようと思った理由は、高校に入ってからずっと勉強してきてなかったけれど、勉強自体はすごく好きで『やってみたい』という気持ちがあったからでした。その中でも東大を選んだのは、これから新たにやりたいものがでてきた時点で、それを達成しやすくなるような武器を身につけておきたいと考えたためです。

東大という名前の強さは信用も得やすいし、そこで得られる一流の学びも人生の糧になっていくのだろうと。普通に生きていたら出会えない人たちとの出会いも将来に役立っていくだろうなと思ったんです

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