【シングルタスク型】
一言で表現すれば「狭く深く集中するタイプ」です。1点集中型と言ってもいいかもしれません。一つのことに集中すると周囲が見えなくなるので、空気が読めないと言われることもあります。
シングルタスク型の価値観は「好き嫌い」の傾向があります。好きなことは損得関係なくやるけれども、嫌いなことはやらないか、後回しにします。シングルタスク型の人も「面倒くさい」という言葉を使うことがありますが、その場合の意味は、「やりたくない」という言葉の代替表現として使われます。
人は「損得の価値観」「好き嫌いの価値観」を共に持つ
マルチタスク型、シングルタスク型にかかわらず、人は「損得の価値観」と「好き嫌いの価値観」を共に持っています。ですから、どちらの価値観が優位に出てくる傾向にあるかで判断してみてください。
例えば、ランチに行ったときにメニューが出てきたとします。そのとき、「値段から見ましたか?」それとも「食べたいものから見ましたか?」というプライオリティの違いと捉えてみてください。
ちなみに、これまで指導してきた子どもたちをマルチタスク型、シングルタスク型という視点で分けてみると、興味深いことがわかってきます。マルチタスク型の子は、得だと思わないとなかなか動きません。一方のシングルタスク型の子は、好きな領域から入っていかないと行動しにくい傾向にありました。
例えて言えば、ある部屋に入るのにドアが2つあり、1つのドアは「得のドア」でもう1つは「好きのドア」です。入ってしまえば同じ部屋なのですがマルチタスク型の人とシングルタスク型の人では、入り口が異なるということです。
さて、ここまでの話は、大きく分けた2つのタイプというだけで、いずれかが優れているとか、有利であるということは一切なく、単なる特徴のお話です。また、筆者が経験してきた範囲で言えば、学力についてはいずれの型にも、それぞれ学力が高い子もいますし、低い子もいました。ですから学力は無関係だと考えています。それぞれに適した学習方法があり、異なった方法で行うと学力が上がらないというだけの話であり、タイプによる優劣はありません。
しかし、問題が起こるのはここからです。つまり、この2つのタイプの組み合わせになったときです。
筆者は過去7年にわたり母親向けのカフェスタイル勉強会を行い、1万人以上の相談を受けてきましたが、相談される多くの母親はマルチタスク型で、子どもがシングルタスク型でトラブルになっているケースが少なくありませんでした。
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