「何度も言わせるな」親に叱られ育った少女の悲劇 教育熱心な母親の言動が引き起こした結末
親の誤った教育方針が導いた、ヒトミの悲劇
ヒトミは中学3年生で、高校受験を控えていました。親からは「学費がかかってもいいから、偏差値の高い高校へ行きなさい」と言われています。また、両親ともに高学歴で、勉強でも仕事でもよい成績をとることが将来の幸せにつながるのだという価値観を持っていました。
ただ、子どもに対して過度な要求をすることは良くないと知っていたのか、直接的に「ああしなさい」「こうしなさい」と言うことは控えていたようです。そのかわり、ヒトミが幼い頃から、優秀な第三者を褒めることで目標を示そうとするのでした。
「ミサちゃんは幼稚園で描いた絵がコンクールで入賞したんだって」
「ケン君は、まだ小学校入学前なのに九九がスラスラ言えるんだって」
とりわけ母親はこんな調子で、聞こえよがしに話していたそう。ヒトミをきちんと育てれば、妹と弟もそれを目標にできるだろうと思っていたので、きょうだい3人の中では長女のヒトミに対する期待がいつも大きかったというわけです。しかし、幼いヒトミは自分に対するメッセージだとは気づかず「ミサちゃんもケン君もすごいんだな〜」と思うだけでした。
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