「何度も言わせるな」親に叱られ育った少女の悲劇 教育熱心な母親の言動が引き起こした結末
しかし、実際のところヒトミは親の思惑をわかっていませんでした。突然「何度言ったらわかるの!」とキレられてびっくりしたのです。これは極端な例ですが、親が「何度も伝えている」と思っていることも子どもには伝わっていないことだってあります。そういう場合は伝え方を変える必要があるでしょう。
もう1つは、親自身の思い込みで勝手に怒っているのではないか、ということです。「何度言ったらわかるの!」は、親が子どもに対し「こうあるべき」と思っていることを裏切られたという怒りの表出です。しかし本当にそうあるべきなのか、点検してみる必要があります。ヒトミはどんなに疲れていてもまず宿題を済ませるべきなのでしょうか?
偏差値の高い学校へ行くべき、そのために宿題や勉強を頑張るべきというのは親の個人的な価値観です。言うなれば一方的な押しつけだし、思い込みです。「子どものためを思って言っている」と言うかもしれませんが、親自身が安心したいとか周囲に認められたいという親側の都合で言っていることも多いもの。
親側の思い込みを知るチャンス
子どもは敏感に察知して反発します。
親のために生きているのではないからです。それに対し「何度言ったらわかるの!」と怒りを爆発させるのは正しいと言えるのでしょうか?
「何度言ったらわかるの!」と言いたくなったときは、自分の思い込みに気づくチャンスです。
どういうことに対して怒りを感じるのか、書き出してみてください。勉強のこと、しつけのこと、友人関係のことなど傾向が見えてくるはずです。それはあなたが大切にしている価値観なのだと思います。価値観自体は何も悪くありません。ただ、「こうあるべき」という思い込みが怒りの源になっているなら、それに気づくことが解決の一歩になります。
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