「何度も言わせるな」親に叱られ育った少女の悲劇 教育熱心な母親の言動が引き起こした結末

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小学3年生のある日、ヒトミは学校から帰ってきて宿題をするために机に向かいました。けれど、夏の暑い日でプールの授業もあったため、疲れていたヒトミは机につっぷして寝てしまいました。

「何度言ったらわかるの!」

突然の母親の叱責に飛び起きるヒトミ。何のことかさっぱりわかりません。

「この間、お友だちのケイちゃんの話をしたよね。ケイちゃんはどんなに疲れていても必ず宿題を済ませてからほかのことをするんだって。だからあんなにちゃんとしているし、成績もいいんだって話したよね」

ヒトミが理解した母親からのメッセージ

ヒトミはこのとき、「そういうことだったのか」と理解しました。小さい頃からあまり自分を褒めず、まわりの子ばかり褒めると感じていたが、まわりの子のようになれというメッセージだったのです。

その後も母親はヒトミを暗に否定するような言動が多く、ヒトミは自信を失っていきました。親からの評価を気にするあまり、自分から目標を設定したり、目標に向けて努力をしたりすることができません。自分よりダメな人間を探して、安心するようになっていきます。

中学生になって塾に通うようになると、連絡用に携帯電話を与えられました。そして、SNSにはじめて触れ、強く引かれるようになりました。

自分のことを詳しく明かさなくても、人と交流ができる。しかも、女子中学生だと言うと多くの男性にちやほやしてもらえる。悩みも聞いてもらえるし、褒めてもらえる。自分はこのままでいいんだ、ダメじゃないんだと思えることがうれしかったそうです。

ほどなく、大人の男性に誘われるまま実際に会うようになりました。性的な関係を持ってはお金をもらうヒトミ。

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