「危ないからダメ」と言われ続け育った少女の悲劇 小学校の校長だった祖母に過干渉に育てられた結末
親が「よかれと思って」実践している声かけ・子育てが子どもの未来を呪ってしまっている――。そう語るのは、元法務省でこれまで1万人の犯罪者・非行少年を心理分析してきた犯罪心理学者の出口保行氏。出口氏の最新刊『犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉』は、そんな実例をまとめた子育ての解説書になっている。
本記事はその中から、「気をつけて」という言葉についての解説を抜粋。子どもに危険を知らせるこの言葉が、どうして呪う言葉になってしまうのか。非行少年に限らず、どんな家庭でも気をつけておきたい注意点と解決策を解説する。
※本記事に出てくる実例はプライバシー等を考慮し一部改変しています。
「気をつけて!」と言われ続けた少女・マイの結末
親が子どもに言う「気をつけて」という言葉にはさまざまな注意点がありますが、まずは極端な例を見ていきましょう。私が実際に心理分析した、ある非行少女(仮名マイ)の実例をご紹介します。
マイが幼い頃、両親がレストランを始めました。家族経営の小さなレストランですが、地域ではすぐに人気が出たようです。
忙しい父母にかわって面倒を見てくれたのが祖母のカズヨです。カズヨは公立小学校の校長をしていた教育者で、たったひとりの孫のために全身全霊で教育にあたっていました。
マイの父親は、教師であったカズヨをとても尊敬しており、子育てについてはカズヨに任せっきりだったそうです。
母親はといえば、義母であるカズヨに対し大きな引け目を感じていました。自分が高卒であるのに対して、カズヨは校長を退職後も地域の民生委員を務めるなど、地域の評価が高かったからです。
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