学校の授業では教えてもらえない名著の面白さに迫る連載『明日の仕事に役立つ 教養としての「名著」』(毎週木曜日配信)の第33回は、夏目漱石に迫ります。
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英語が抜群にできた夏目漱石、国費留学で英国へ
日本の名著、といえば誰の作品が思い浮かぶだろう? 村上春樹、三島由紀夫……さまざまな名前があがりそうではあるが、なかでも「夏目漱石」と答える人は多いのではないだろうか。
前回までは森鴎外の人物像と作品について解説してきた本連載、今回から、森鴎外と同世代の作家・夏目漱石に迫ってみたい。
ちなみに鴎外と漱石は並べて語られることの多い作家ではあるが、それは2人とも「留学経験がある」「東大出身のエリートだった」ことが共通しているからではないだろうか。とくに鴎外のドイツ留学経験は、『舞姫』に描かれるとおり、彼の人生に大きな影響を与えた。しかし漱石の場合はどうだろう。漱石は抜群に英語ができたため、当時の文部省から2年間のイギリス留学の命令を受けたのだ。明治33年、1900年のことだった。
漱石が留学した際に書いていた日記が残っていて、現在『漱石日記』に収録されている。この日記は、イギリスに向かう旅路から始まるのだ。
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