「仕事が休めない」と嘆く人が陥る負のスパイラル 「休んだら迷惑かかる」は思い込みかもしれない

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「素敵な異性と出会えない。どうせ自分には魅力がない」

そう悩んでいる若い人に対して、私は冗談まじりに次のように言うことがあります。

「カッコいい映画俳優だって、周りに女性がいない環境に生きていたらモテないかもしれないですよ」

実際、私が知る限り、美しい女性と知り合いになれていちばんモテている職業は、モデル事務所のマネージャーです。

それもそのはず。マネージャーは、1人で20人や30人ものモデルをマネジメントし、せっせと撮影現場に送り迎えしたり、仕事のアドバイスをしたりしているのです。その中の1人や2人がそのマネージャーを好きになっても、けっして不思議ではありません。

つまり、すべての物事には対策やテクニックがあります。「異性の多い環境に身を置く」というのは、モテるための1つのテクニックです。

ビジネスでも受験でも、対策やテクニックを身につけていれば、ほとんどのことはうまくいくのです。

大部分の不安は無知から生まれます。きちんとした知識や情報があれば持たなくてもいいような不安に、多くの人が悩まされているのです。

不安に思うなら対策を考えればいい

ほとんどの人は「そんな対策があるなんて知らなかった」「誰からも教えてもらえなかった」と口にします。

『不安に負けない気持ちの整理術 ハンディ版 (特装版)』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

でも、本当に必要な情報というのは、受け身の姿勢では得られません。

どうして自分から進んで、対策やテクニックを見つけ出そうとしないのでしょうか。不安で困っているなら、一生懸命打開策を探してもいいはずです。でも、実際には何もしていない人が大半です。

その最大の理由が「あきらめている」ことです。「どうせ自分はダメなんだ」「うまくいかないに決まっている」というあきらめがあるので「不安だけどこのまま生きていくしかない」と思い込んでいます。

不安に思うなら対策を考えればいい。その基本を忘れてしまうのは、不安に振り回されているから。そういう人に、必要な知識や情報を誰かが届けてくれることはないのです。

(画像:『不安に負けない気持ちの整理術 ハンディ版 (特装版)』)
和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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