思考停止の時代
稲田豊史(以下、稲田):金間さんの本を読んで、私の本と同じことを別の言い方で表現されていると思いました。その1つが「失敗したくない」というキーワードです。今の若者はみんな失敗したくない気持ちがすごく強いですよね。それで思い浮かぶのが若者のTwitter離れです。今のTwitterって、罪に対して罰が大きすぎるんですよ。
金間大介(以下、金間):と言うと?
稲田:ちょっとした失言や誤認ツイートが、見知らぬ人たちからの集中砲火を浴びるじゃないですか。大学生が軽い気持ちで発した理想論じみたつぶやきに対してすら、いい大人のインフルエンサーが引用リプで冷笑する。ほんのちょっとした“失敗”なのに、大きなダメージを食らうわけです。
金間:失敗を怖がる理由は多岐にわたると思うのですが、例えば世界的な意識調査の中に「見知らぬ人を助けたことがあるか」という設問があって、その結果として、日本はYesと答えた割合が125カ国中125位なんです。世界一、知らない人を助けない国ニッポンなんですよ。「失敗したのは本人のせいだから助けることはない」という考え方が、この結果に含まれていると思います。