若者が「東京四畳半暮らし」にハマる理由 都心への集中が進むと郊外はどうなるのか

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不動産会社「アールエイジ」が扱うコンパクト物件の1つ(東京・新宿区早稲田)。流し台と洗面所を兼ねたシンクの下に、洗濯乾燥機がはめ込まれ、トイレに仕切りはない(写真:Kenta Hasegawa)

今、若い世代に共通する感覚として、「職住一致」志向があります。ご存じのように、戦後には職場と住まいを分ける「職住分離」が進み、首都圏郊外には、都心へ通勤する人の住宅地を中心に発達したベッドタウンが広がっていきました。それ以前は、サラリーマンはもちろん、商店や工場で働く人も、自宅が店を兼ねていたり、住み込みで働いていたのですが、次第に職場と離れたところに住むようになったのです。

「父親のように長距離通勤はしたくない…」

早稲田駅徒歩7分・4.2畳で家賃58000円。一人暮らしの男性中心に人気が高く、空室は2016年10月下旬現在でゼロだ

しかし、その結果として働くお父さんたちが直面することになったのは、職場までの長距離通勤です。そして、毎日長い時間をかけて自宅と会社を行き来し、疲れ果てる親の姿を見てきた今の若い世代の中には、「自分はそういう生き方はイヤだ」と、できるだけ会社の近くに住みたがる人が増えたのです。

そんな若者たちからの人気を集めている、面白い不動産会社があります。「EARLY AGE(アールエイジ)」という会社です。扱っているのは、狭いと7平米、いわゆる四畳半程度の小さな部屋。早稲田や蔵前、門前仲町など、大都心近くの、駅から近い立地を中心に展開しています。そこには、トイレとシャワー、洗面所と流し台を兼ねたシンクがあり、下に洗濯機がはめ込まれています。部屋によっては、トイレの仕切りがない場合もある。一見、びっくりする間取りですが、空室が出るとすぐに埋まってしまうそうです。

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