結婚したら2LDKの賃貸マンションに住み、子供が生まれて夫が昇進したらもう少し広いマンションを買う。子供が大きくなって独立し、部屋が必要になる頃にはマンションの値段が上がっていて、その売却益で郊外に一戸建て住宅を建てて「あがり」。これが、高度成長時代の日本の「住宅すごろく」と呼ばれるものだった。
今の若者は「郊外の一戸建て」を最終目標にしていない
それでは、今から5年後。2020年の住宅すごろくはどう変わっているのだろうか。
実は、若者の中でも30代の前半から不動産について賢く考え、すでに行動している人たちは、確実にリスク分散を行っている。しかし、少なくとも彼らはゴールを郊外の一戸建てには置いていない。
彼らの行動パターンは多様化しており、海外の不動産を選択肢の一つととらえている富裕層の若者なども多い。いざというときに東京からエスケープできる手段を持ち、デュアルライフ(二重生活)を送る傾向は、自らの身を自らで守るこれからの時代にはさらに強まるはずだ。
パリやニューヨークに不動産を持つのも選択肢の一つで、万一東京に何か壊滅的な危機が訪れたときにもオルタナティブな手段となる。
郊外にセカンドハウスを所有したり、出身地に不動産を持ち田舎暮らしに戻ったり、好きなリゾートに物件を保有するなど、国内外で複数の家を同時に所有する人も増えるだろう。
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