「倒れるまで無理をする人」が仕事を断れない理由 ストレスフルな現代に必要な「モンク思考」
私たちはつい、誰かの期待に応えようとして無理をしたり、他人の成功をねたんでしまう。私たちはなぜ人間関係に苦しんでしまうのだろうか? 私たちは本当に自分らしい人生を送っているのだろうか?
4000万人ものSNSフォロワーを誇る作家、ポッドキャスターのジェイ・シェティは、僧侶となるべく修行を重ねた経験を基に、自分らしく生きるためのメソッドを紹介し、世界中から熱狂的な支持を得ている。
世界30カ国以上で刊行され、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー1位ともなり、8月に日本語版が刊行されたシェティの著書、『モンク思考』。
禅宗の僧侶(住職)であり、精神科医でもある川野泰周氏に、現代人にとってなぜ本書が重要なのか、話を聞いた。前編に引き続いてお届けする。
人生の「主人公」を生きているか
行動の主体、意思決定の主体が自分にあることを、禅の言葉で「主人公」と言います。
かつて、瑞巌和尚という人は、毎日「おい主人公、お前はちゃんと生きているか!?」と自分に向かって叫び、「はい、今日もちゃんと生き切ります!」「ボーっとしてだまされないようにします!」と答えるという自問自答をしながら暮らしていたといいます。
自分の人生を、自らがしっかり主体として生きている。そんな禅の精神から、映画やドラマで用いられる「主人公」という言葉も生まれました。
自分が自分の意志決定の主体であれば、人を助けてあげたり、何かをしてあげるときも、あくまでも自分が好きでやってあげることになります。すると、相手の反応を期待して、それが裏切られたからといって怒りを感じるという反応は起こらなくなります。
もし相手に「そんなものいらない」とはねのけられても、「ああ、今は必要としないんだな」と考えて、それを受け入れるだけです。相手の反応に一喜一憂して心を乱されることもないのです。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら