凡人経営者と「名経営者」とのあまりに決定的な差 日立を救った「川村隆」は何がすごかったのか

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巨大企業を再生させた背景にあったものとは……(写真は2014年。撮影:今井康一)
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古森重隆、稲盛和夫、川村隆。3人の名経営者にはある「共通点」もあるという──。川村氏が上梓した『一俗六仙』を、企業経営者を数多く取材してきたジャーナリストの勝見明氏が読み解く。

巨大企業を救った3人の名経営者

日本を代表する巨大企業を危機から救った3人の名経営者に取材したことがある。

1人目は、今年6月、富士フイルムホールディングス(HD)会長・CEOを退任した古森重隆さんだ。デジタル化の波により、写真事業の本業喪失という未曾有の危機に直面すると、自社のあり方を根本から改革し、新たな成長軌道に乗せた。

2人目は、京セラ創業者の稲盛和夫さん。経営破綻した日本航空(JAL)の再建を託されると、無報酬で会長に就任し、着任の翌期には高収益企業へとよみがえらせた。

3人目が日立製作所の元会長、川村隆(*隆は旧字)さんだ。日立は世界金融危機の直撃を受け、2009年3月期決算で、国内製造業では過去最悪の7873億円の最終赤字を計上する。川村さんはグループ企業の会長職として本体の外に出ていたが、急きょ、呼び戻されて、69歳で会長兼社長に就任。日立再生を陣頭指揮して、黒字化への道筋を切り開いた。

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