自衛隊での生活とビジネスの類似性について、ひとつ具体的な例を挙げよう。
身だしなみには非常に厳しいのが自衛隊の特徴だ。
服は毎日アイロンがけ、靴墨でピカピカに…
戦闘服は、基本毎日アイロンがけをして折り目がくっきりしていないといけない。一番上のボタン以外、ボタンを外したままなどというのは論外だ。
半長靴といわれる黒いブーツも、毎日手入れして靴墨でピカピカにする必要がある。訓練最終日には、ブーツの底まで磨いて靴墨を塗るぐらいだ。
ブーツを結ぶひもの端も、だらしなく靴の外側に出すことは許されておらず、ブーツの中に押し込んでおかないといけない。自衛隊では必ず、ストラップやひもの端を整える「端末処理」が求められる。
厳しい「ドレスコード」を自分が守れているか確認する必要があるため、隊舎の出入り口には決まって全身が映る大きな鏡がある。
以前読んだ自衛隊についての記事で、「隊舎内にはどこに行っても鏡があって目立つが、その理由は、現行憲法下でやや曖昧な存在である自衛隊に所属している自分を、確かな存在として毎日鏡で確認せずにはいられない欲求があるせいではないか」と書かれていたものがあったが、中で過ごしてみるとやや的外れだな、と感じた。
身だしなみに極めて厳格であるのには「しっかりとした理由」がある。
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