「選択の自由」とは、自分の選択が裏目に出た場合、他人を責めることはできず結果を自分自身で受け入れなければならないことを意味する。
だが、膨大な選択を行う中で100%正解のみをチョイスできるわけではないので、必ず誤った選択をした自分を責めることになり、それも強いストレスだった。
つまり、「選択の自由」は多ければ多いほどいいとずっと思い込んでいたが、今回訓練に参加したことによって、「選択の自由」は想像以上に強いストレスが伴うものであり、むしろ「自分で何も考えず、人が決めてくれたものを無条件で受け入れるほうが、じつは精神的にラク」ということに気がついたのだ。
「こだわりが強すぎると、他人が決めてくれたことを無条件に受け入れることがむしろ気持ち良くなる」というすごいパラドックス。
スーパーで買い物の選択肢の数が多すぎると、消費者はどの商品を買うかなかなか決められず、それにストレスを感じて何も買えなくなり、結局売り上げが下がる、という例があるが、似たような現象と言えるのではないだろうか。
「ビジネス上必要なスキル」と共通点が多い
また、もうひとつ気がついたことがあった。
「達成すべき目標」が明確だと、「外資系企業のような個人主義的組織」だろうと「自衛隊のような集団主義的組織」だろうと、アプローチはあまり変わらないということだ。
自衛隊には、「シ・コ・セ・キ・ダン」と言われる精神教育の中心となる自衛官の心構えというものがある。
「コ」= 個人の充実
「セ」= 責任の遂行
「キ」= 規律の厳守
「ダン」= 団結の強化
これだけ見ると、「いかにも自衛隊の精神教育」という感じがしなくもないが、言い方を変えるとビジネスマンに日常必要とされる心構えとあまり変わらない。
個人の充実 = 自らの人格、判断力や統率力などのスキルを高める
責任の遂行 = 与えられたミッション、マンデートを責任感を持って必ず成し遂げる
規律の厳守 = チーム内で与えられたオーダーとルール、コンプライアンスの遵守
団結の強化 = チームワークの重視
普段ビジネスのうえでもよく聞くセリフではないだろうか。
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