お笑い群雄割拠と言われて早20年経とうとしている。
1990年代までお笑いの二大拠点が関東、関西と認識されていたのが、2000年以降、サンドウィッチマン(宮城)、くりぃむしちゅー(熊本)、タカアンドトシ(北海道)、博多華丸・大吉(福岡)、千鳥(岡山)といった地方出身者が台頭し、もはやお笑いのボーダーラインはなくなりつつある。
そんな中、お笑いに精通している筆者が沖縄に移住して14年目の今年、沖縄のお笑いコンビ「しんとすけ」の“首里のすけ”が、お笑い界に新たなムーブメントを起こそうと、着々と準備しているのを知った。
2021年1月に沖縄の大手老舗芸能事務所「オリジンコーポレーション」の代表に首里のすけが就任して3年目の今春、事務所として念願の東京進出を予定している。
毎年正月に開催される沖縄お笑いNo.1を決める大会「O-1グランプリ」第17回(2023年1月)チャンピオンとなったことでも拍車がかかり、東京進出にかける思いはさらに強くなる。すべては、自分のため、そして沖縄芸人たちの夢を達成するためのプロジェクトでもある。
*この記事の後半:「芸人かつ社長」東京進出めざす男の"3つの武器"
苦節11年で「O-1グランプリ」チャンピオンに
「喫緊の課題は、インボイス制度(2023年10月から始まる消費税制度)を理解することです」
ボケなのかマジなのか、微妙なコメントを第一声に放つお笑いコンビ「しんとすけ」のツッコミ担当の首里のすけ(33歳)。「シュリッポン!」とキャッチネタのように発し、地元沖縄のテレビ、ラジオ、CM、舞台等で大活躍する人気中堅芸人だ。
沖縄お笑い界では、よく声が通るイジられキャラとして確立し、おまけに沖縄の大手老舗芸能事務所「オリジンコーポレーション」の代表でもある。
「大手老舗芸能事務所代表」には見えないが、それがどうしたと言わんばかりに精力的に活動。
毎年1月2日に開催される第17回「O-1グランプリ」チャンピオンになった瞬間に流した涙は、内地(本土)ではまったく知られていないが、沖縄県内のお茶の間では、感動の嵐を呼んだ。
苦節11年で、ようやく手にした初タイトル。
冒頭のコメントは事務所代表としての言葉なのは間違いないが、魂はあくまでも芸人であるときっぱり断言する首里のすけは、なぜ芸人の道を歩もうと思ったのか。
この過程こそが、首里のすけが芸人だけでなく、芸能事務所の代表としてお笑い界に新風を巻き起こすエネルギー源にもなっている。
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