お笑いの萌芽は、根本的に生活環境が大きく起因すると言われている。
関西といえば、商人の街。大阪が中心であり、言葉巧みに冗談を入れ込んで人の心を開かせるのが日常茶飯事。“口がうまいこと”が商売の第一条件のように、面白いことを言う習慣が元来、染み付いている。
言うなれば、ボケとツッコミがコミュニケーションの手段でもあるがゆえに、関西のお笑いは、生活基盤から成り立っている古典文化とも言えよう。
一方、関東というのは首都圏を目指して全国各地から人が集まってくる。そのため、地域的背景による「笑いのバックグラウンド」も当然多様になってくる。
「ネプチューン」の名倉が関西弁の強いツッコミを入れたり、「U字工事」や「カミナリ」は北関東の訛りを全面に押し出したりと、関東芸人は独自性を出すため、各々バラエティに富み、多種多様な笑いのパターンを確立していくのが特徴だ。
「関西」「関東」「沖縄」それぞれの笑いの特徴は?
沖縄の笑いも、言うなれば関西に近い文化がある。三線・沖縄民謡・琉球舞踊といった伝統文化の中で沖縄喜劇があり、昔から笑いに根付いた文化でもある。首里のすけは、真剣な顔付きで言う。
「道歩いていても昼間っから酔っ払ったおじさんがブツブツと呟いて宇宙と交信していたり、市場のおばあは面白いし、沖縄の人は笑いの要素があります」
沖縄人(ウチナーンチュ)は南国特有の陽気な性格であり、「そうね」「ほうね」「だっからよぁ」で会話が成立して最後笑って終わるくらい、感覚がお笑いそのもの。
沖縄のおばあなんかは、マクドナルドでの注文の際「何にいたしましょうか」と聞かれると、「よくわからんから、あんたが決めていいさ」の返し。まるでコントの一コマだが、常時こんな感じだ。
沖縄の芸人数はおよそ200人いると言われ、沖縄県の人口(約150万人)比率的に見ても、東京、大阪と変わらない。
沖縄には、日常に面白い事象がゴロゴロ転がっているのは確か。関西ほどでないにしても、そういった環境に身を置けば、自然と「笑いの筋トレ」が培われ、センスも養われていく。
地方特有の素朴さと沖縄方言によるイントネーション、そして南国の緩い感覚が相まって、沖縄の独特の笑いが構築されているのだ。
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