親が「見合いか恋愛か」"子の結婚"に与える大影響 親の結婚形態で「恋愛人数」にも差がある?!

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そもそも生涯未婚率とは50歳時未婚率といわれるように、45~54歳の未婚率の平均値です。つまり、2020年時点での生涯未婚率対象者は2000年時点での25~34歳の結婚適齢期にあたります。男性の生涯未婚率のグラフを20年前にずらしてみてみると、見合い比率と生涯未婚率との相関がより鮮明になります。

(出所)出生動向基本調査および国勢調査を基に筆者作成

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の2018年時点推計では、2040年男性の生涯未婚率は29.5%までしかあがっていませんが、この見合い結婚比率との相関で計算すると、35%程度まであがりそうです。

「見合い結婚の親と恋愛結婚の親」子の未婚率に差は?

とはいえ、「もはや、結婚相談所を入れても1割にも満たない見合い結婚比率が多少上がったところで、大勢には影響ないでしょう。9割は恋愛結婚なんだから……」と思われるかもしれません。ところが、そういうわけにもいかないのです。恋愛力というものは、知力や経済力同様、親から引き継がれるものだからです。

見合い結婚によって生まれた子どもと恋愛結婚によって生まれた子どもとで、未婚率に差があるかどうかを首都圏在住者を対象に調査しました。結果は以下のとおりです。

(出所)2020年1都3県20~50代未婚男女(n=10595)への調査より筆者作成

女性は、親が見合い結婚だろうと、恋愛結婚だろうと、あまりその娘の未婚率に影響はありませんが、男性の場合、確実に見合い結婚の息子のほうが未婚率が高くなっています。生涯未婚率で比べてみると、親が恋愛結婚の場合は23%と2020年の国勢調査の全国値よりも下であるのに対し、親が見合い結婚の場合は40%と大きく差が開いています。

もちろん、この調査対象は首都圏在住者なので多少未婚率は高くなりますが、だとしても、親の結婚形態の違いで17ポイントも差が開くというのは有意な差であると言えるでしょう。つまり、親の恋愛力は子に引き継がれるし、恋愛強者の子は恋愛強者となり、恋愛弱者の子は恋愛弱者なのです。

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