32万組の結婚が失われた結果…「出生数過去最少70万人割れ」を騒ぐ人に欠けている視点

✎ 1〜 ✎ 124 ✎ 125 ✎ 126 ✎ 127
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
(写真:Fast&Slow/PIXTA)

先ごろ2024年の人口動態概数年報が公開されました。これはあくまで概数値であって確定値ではありませんが、9月ごろに発表される確定報とそれほど大きな乖離はないと考えてよいでしょう。

メディア各社は「出生数過去最少」「出生率1.15」などを見出しに、歯止めのきかない少子化について報じていましたが、少なくとも出生数は2024年上半期時点でほぼ予測されていた通りの結果であり、今さら大騒ぎする話でもありません。

とはいえ、長期的な基調からいえば、ここ直近の5年間とそれ以前とは大きな変化があります。

2004年から2024年までの20年間で見ると、2004年出生数は111万人に対し、2024年68.6万人は約4割減となっています。しかし、前半の2004年から2019年までは、15年間かけて2割減なのに対し、後半の2019年から2024年にかけてはたった6年間でさらに2割減です。直近の急降下ぶりが際立ちます。

中間層の経済力の若者には結婚が手の届かないものに

グラフにも示した通り、出生数は婚姻数と完全にリンクしますから、この出生数の減少は婚姻数の減少によるものです。

よくよく見るとわかりますが、2004年から2009年ごろは、婚姻数に比べて出生数の減り幅が大きく、この頃は結婚しても子どもを持たない夫婦の増加や、仮に持ったとしても一人っ子などという状況がありました。「1.26ショック」といわれたのも2005年のことです。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事