少子化議論なぜか欠ける「婚姻減・少母化」の視点 「20代で子のいる家族」が2000年境に減った背景

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出生数・婚姻数の減少は「家族の減少」を意味します(写真:show999/PIXTA)
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毎年、成人の日になると「今年の新成人の人数は過去最少を更新」などというニュースが出ますが、そもそもそんなことは20年前の出生数を見ればわかりきっていたことで、今さら大騒ぎすることではありません(成人年齢は、昨年4月の民法改正で18歳に引き下げられましたが、多くの自治体では成人式は従来通り20歳で実施するところが多いとのこと)。

逆に言えば、20年前はまだ年間100万人以上の子どもが生まれていたことになります。人口動態調査を見ると、年間100万人出生をはじめて割り込んだのは、2016年のことで、つい7年前の話です。随分と長い間少子化と言われ続けてきたので、もっと以前からそうだったと勘違いしている人もいるかもしれません。

しかし、この出生数の減少幅は年々急降下しつつあり、2022年の出生数は80万人を切り、77万~78万人程度と予想されています。

出生数・婚姻数の減少は「家族の減少」を意味する

出生数の減少は根源的には婚姻数の減少であり「少母化」によるものであることは、『出産クーポン「的外れにも程がある」と言える根拠』の記事でもご説明した通りですが、出生数の減少および婚姻数の減少とは、同時に「家族の減少」を意味します。

かつて「夫婦とこどもふたり」の4人家族が標準世帯と呼ばれた時代がありました。事実、長期の世帯構成人数推移を見ると、1970年代から1980年代までは「4人世帯」が世帯の中でもっとも多い構成比を占めていました。

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