ところが、1990年代以降、そのトップの座は「1人世帯」に譲り、2020年時点では4位にまで後退しています。「1人世帯」が激増しているのは未婚化の影響もありますが、それだけではなくもうひとつ高齢者の単身世帯化も加味されます。
結婚してもいずれ子どもは独立し、配偶者とは死別し、必ずどちらか一方は1人となります。大抵の場合は、平均寿命が女性の方が長いので、高齢女性の単身化という形になります。
同様に、「2人世帯」も増えていますが、これも別に昔流行った「DINKs」夫婦が増えているわけではありません。高齢単身世帯化の直前の形態として、高齢の夫婦のみの世帯に戻ったパターンも多く含まれています。
家族の構造は、婚姻や出生だけではなく、高齢化によっても大きく変化します。
典型的な「家族」がグッと減っている
より詳細に、15~64歳までの現役世代と65歳以上の高齢世代に分けて、世帯類型別長期推移を見るとわかりやすいと思います。
1985年からの推移で大きく減少しているのは「現役世代の夫婦と子世帯」のみです。いわゆる典型的な家族だけがその数を減らしています。1985年に約1460万世帯あった家族は、2020年には約1100万世帯へと360万世帯も消滅しました。減少率でいえば、約25%減です。
さらに、細かく、出生が可能な年齢とされる49歳までの「夫婦と子世帯」に限定すれば、1985年の約1063万世帯から2020年は約711万世帯へと約33%の減少です。
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