米・ドーピング公認大会「エンハンスド・ゲームズ」はアスリートを破壊に導く《人体実験》でしかない――五輪銀メダリストと医師が語る"怖さ"

エンハンスド・ゲームの本当の怖さとは(写真:Sports Photos/PIXTA)
先日、2026年5月にアメリカのラスベガスで、「エンハンスド(強化)・ゲームズ」が開催されると発表された。
臨床試験の被験者として参加
短距離走、水泳、重量挙げなどの競技が行われるが、特記すべきは、▼薬物を使わない自然な競技参加、▼選手独自の強化プロトコルによる参加、▼アメリカ食品医薬品局(FDA)の開発段階の薬物を使用する臨床試験の被験者としての参加、の3つから選べるという点だ。
つまり、ドーピングが認められるという、スポーツ界の規範を真っ向から否定するものだといえる。
まずは、ドーピングの概要から説明する。
その歴史は古く、近代オリンピック黎明期から存在し、当時は興奮剤のストリキニーネや、モルヒネ、コカインなどが使用されていた。第2次世界大戦後はアンフェタミンがスポーツに導入され、疲労感を麻痺させることで、限界を超えるパフォーマンスを可能にした。
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