
今回は運用資産に対する受取利息・配当金の比率である「運用利回り」を算出し、保有資産に対してどれだけ利息や配当を得ているかを見る。
大学法人の財務分析では、「有価証券」+「現金預金」+「特定資産」を「運用資産」と呼ぶ。有価証券は貸借対照表の「流動資産」(短期保有)と「その他の固定資産」(長期保有)に記載されている合計値だ。ここに「現金預金」と、退職給与引当金や、施設設備整備建設のための引当金など、将来の特定の支出に備える「特定資産」を加えて「運用資産」を計算した。
この運用資産に対する受取利息・配当金の比率である「運用利回り」でランキングした。では、実際にどのような大学が上位なのか。ランキングを見ていこう。
「運用利回り」トップは東洋食品工業短期大学
1位は東洋食品工業短期大学で13.9%。運用資産は109億円。受取利息・配当金は15.2億円。
日本で唯一の包装容器・容器詰め食品のプロを育てる同校は東洋製罐創立者の高碕達之助氏が設立した東洋罐詰専修学校が前身だ。東洋製罐グループホールディングスの株式を9.5%(1676万株)保有する。財務諸表上は簿価で計上されているが、足元の株価で計算すると保有株式の価値は400億円以上になる。
2025年度からは授業料全額を奨学金として給付する「高碕記念奨学金」がスタートした。ちなみに授業料などの学生生徒等納付金は4000万円強で収入で余裕で賄えそうだ。
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