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誰かのあら探しをし他人を嘲笑して過ごしている間に、自分の成功は遠ざかっていく/『きみに冷笑は似合わない。』山田尚史氏に聞く

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『きみに冷笑は似合わない。SNSの荒波を乗り越え、AI時代を生きるコツ』著者の山田尚史氏
[著者プロフィル]山田尚史(やまだ・なおふみ)/マネックスグループ取締役兼執行役、小説家。2012年AppReSearch(現PKSHA Technologyを共同創業、代表取締役就任。21年からマネックスグループ取締役。1989年生まれ。東京大学卒業。23年『ファラオの密室』で「第22回『このミステリーがすごい!』大賞」大賞を受賞。(撮影:梅谷秀司)
人の努力を嘲笑するような、冷笑的な態度を取るべきではない。道徳的に間違っているからではなく、誰かのあら探しをする間に自分自身の成功が遠ざかっていくからだ──。経営者×AI研究者×小説家。独特の視点で書かれたビジネス書は、人の挫折を喜ぶ風潮や、夢を掲げにくい社会への対抗策を示す。
きみに冷笑は似合わない。 SNSの荒波を乗り越え、AI時代を生きるコツ
『きみに冷笑は似合わない。 SNSの荒波を乗り越え、AI時代を生きるコツ』(山田尚史 著/日本経済新聞出版/1650円/272ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──他者への冷笑が、自分のパフォーマンス低下につながると。

一生懸命な他者をあざ笑う態度が冷笑だが、これは多くの場合、自分自身が一生懸命ではない状態と重なる。努力の当事者になれば報われなかったときに傷ついてしまうから、自分は努力せず、頑張っている人を見下すのだ。

冷笑的な態度自体は新しいものではない。ただ、今はSNSによって加速しているように思う。

成功者のスキャンダルや著名人の失敗は寄ってたかってたたくし、ここぞとばかりに強い言葉を使う。人をたたくことで、自分が何かをしていると実感するのかもしれない。でも、誰かを小ばかにして得たインスタントな達成感は、本当に向き合うべき課題からその人を遠ざけているのではないか。健全なエネルギーまで「ガス抜き」されてしまっているのではないか。

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