結婚相手出会えない理由「男女でズレる」残酷現実 好きにならない女と好きになってもらえない男

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日本の出生率は危機的状況にあるというけれど、危機などという時期はとうに過ぎ去っている(写真: yosan/PIXTA)
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先ごろ、2022年の人口動態速報が発表され、出生数80万人割れがニュースとなりました。岸田首相が「危機的状況と認識」などとコメントし、SNS上で炎上していましたが、危機などという時期はとうに過ぎ去っており、また「今認識した」かのように言っていますが、2022年の出生数が80万人割れすることは1年前に大体予想できたことです。

ちなみに、速報上は、出生数79万9728人ですが、この値というのは、日本における外国人の出生、外国における日本人の出生、さらには前年以前に発生した遡及集計を含むもので、確定値より多めになります。2022年の実際の最終的な確定値は77万人台になるでしょう。

出生数の予測はいろいろな方法がありますが、私は「発生結婚出生数」という誰でも簡単に計算できる指標を用います。これは、前年の婚姻数に対して、翌年の出生数は大体同じ比率で計算が可能だからです。1婚姻当たり1.55人が産まれてきます。

2021年の婚姻数は約50万組でしたから、それで計算すると2022年の出生数は約77万人ということになります。多少の誤差はあっても、これが80万人を超えることはないことは私でなくてもわかります。ましてや、厚労省の官僚や政治家が知らないはずがありません。

婚姻数は50万組を割らなかった

とかく出生数ばかりが報道されますが、速報値で私が注目したのは婚姻数です。前年の速報値に対して、わずか1%ながら増え51万9823組となりました。とはいえ、2021年の婚姻数そのものが戦後最低であり、むしろこれ以上婚姻が減って、年間50万組を割っては大変という状況でした。なんとか徳俵に残ったという形でしょうか。

韓国や中国などは近年つるべ落としに婚姻数が減少し、それと連動して出生数も減っています。婚姻と出生が密接に結びついている東アジア文化圏においては、それくらい婚姻数と出生数とは強い正の相関があります。

しかし、安心はできません。婚姻数が上向くという材料は何一つ存在しないからです。3年に及ぶコロナ禍での多くの制限が解除され、特に若者が対面で交流ができるようになったことはとても良いことですが、だからといって、これで婚姻が増えるなどという簡単な話ではありません。

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