現代病「集中できない」の無視できない悪影響 1分間に4000語と早口な「頭の中のひとり言」

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「頭の中のひとりごと」は、古代より人類を苦しめてきました(写真:Claudia/PIXTA)
「明日のプレゼンはうまくいくだろうか」「昨日はあんなことを言ってしまった」など、私たちは日々、頭の中で話をしている。
このような「頭の中のひとりごと」(チャッター)はしばしば暴走し、あなたの脳を支配し、さまざまな問題を引き起こしてしまう。
一方、この「チャッター」をコントロールすることができれば、あなたは本来持っている能力を最大限に発揮できるという。
賢い人ほど陥りがちな「考えすぎ」から抜け出す方法とは何か? 今回、11月に日本語版が刊行された、40カ国以上で刊行の世界的ベストセラー、『Chatter(チャッター):「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法』より、一部抜粋・編集のうえ、お届けする。

人間は「いま」を生きられない

21世紀に広く行き渡った文化的真言(マントラ)は、「いまを生きよ」という勧めである。

『Chatter(チャッター):「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法』。(書影をクリックすると、Amazonのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

この格言の知恵は十分に理解できる。過去の痛みや未来への不安に囚われるのではなく、まさにいま、他人や自分自身とつながることに集中すべきだというアドバイスだ。

それでも、人間の心を研究する科学者として、私はこの善意のメッセージが生物としての私たちの仕組みにどれほど逆らうものかを指摘せずにはいられない。

人間は、いかなるときも「いま」にしがみつくようにはできていない。私たちの脳は、そうするように進化してはいないのだ。

近年、いかにして脳が情報を処理するかを調べたり、リアルタイムで行動を観察したりする最先端の手法によって、人間の精神の隠れたメカニズムが解明されてきた。

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