だが、チャッターが姿を現すのは、内なる声が暴れ回り、チャッターが心の中のマイクを握るとき、つまり、私たちの心が自らを苦しめるだけでなく、自らを麻痺させるときだ。
チャッターはまた、自分に悪い影響を与えるよう私たちを導くこともある。
私が研究生活の中で手にした最も重要な洞察の1つは、次のことだ。チャッターを減らし、内なる声を制御するのに必要な手段は、探す必要はないのである。
それは往々にしてありふれた風景の中に潜み、私たちが出番を与えるのを待っている。
それは、私たちの精神的習慣、突飛な振る舞い、日常茶飯事の中に、また、私たちが交流する人びと、組織、環境の中に存在している。
「チャッター」に打ち勝つ「カギ」とは?
本書において、私はこれらのツールを明るみに出し、それらがどう働くかだけでなく、それらがどう組み合わさって道具箱(ツールボックス)を形成するかを説明する。
この道具箱は進化を通じてつくりあげられたものであり、私たちが自分自身との会話をうまく管理するのを助けてくれる。
内なる声がはらむこの避けがたい緊張状態、つまり、助けとなる強大な力であると同時に私たちを傷つける破壊的なクリプトナイト〔訳注 スーパーマンの超能力を無力化する金属〕でもあるということは、私にとって人間精神の大いなる謎である。
私たちの「最善のコーチ」として機能する声が「最悪の批判者」でもあるなどということが、どうすれば可能なのだろうか?
チャッターに打ち勝つカギは、自分自身へ話しかけるのをやめることではない。問題は、より有効に話しかける方法を見つけることだ。
幸い、あなたの心と周囲の世界は、まさにその手助けをするよう精巧に設計されている。
だが、頭の中の声をコントロールする方法に取り組む前に、いっそう基本的な問いに答える必要がある。
そもそも、チャッターはなぜ現れるのだろうか?
(翻訳:鬼澤忍)
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