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母親をひとりぼっちで介護する29歳男性の困窮 介護に縛られる20〜30代の知られざる現実

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  • 奥村 シンゴ ケアラー支援団体「よしてよせての会」代表
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2017年に厚労省が実施した在宅介護実態調査の集計結果によれば、介護サービスを利用しない理由の最多は「現状ではサービスを利用するほどの状態ではない」で37.9%。3番目に多かったのが「家族が介護をするため必要ない」(18.9%)だった。悟さんの母親はこれに当たる。

悟さんは母親の介護サービス利用を望むが、当の本人が「必要ない」と判断してしまうのだ。

貯金を取り崩しながら介護

介護に縛られる若者ケアラーが直面するのが介護離職だ。悟さんも仕事を辞めざるをえなかった。その結果、母親の介護も自身の貯金を取り崩しながら対応せざるをえなくなった。

介護離職者は年間10万人ほどおり、ほとんどの人が年収減に直面する。男性は平均214万円、女性は同175万円も減る。

悟さんも生活が困窮した。母親の通院に付き添う交通費もままならなくなり、食費を切り詰め、一日中モヤシを食べて空腹をごまかすようなこともあった。生活保護の申請を試みたが、父親の年収300万円と不動産所有によって通らなかった。悟さんは無収入の状態が4年間も続いている。

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【社会にほとんど認知されていない実態】

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