内閣官房孤独・孤立対策担当室の有識者会議に、経済分野で参画するのが駒村康平・慶応大学経済学部教授だ。孤独を防ぐ政策評価のあり方について語った。特集「1億『総孤独』社会」の一覧はこちら。
有識者会議では、人と人が自然と「つながり」を実感できるような居場所づくりを社会政策に取り入れていくべきだと提言してきた。
取り壊しに高齢者たちが反発
数年前、東京郊外のある街で、市が無料入浴施設を取り壊す決定をしたところ、地元の高齢者たちが反発する一幕があった。その施設は高齢者たちが毎日のように通い、風呂に入るだけではなく、お茶を飲みながら談笑したり囲碁や将棋を楽しんだりするなど、憩いの場として機能していた。
市としては老朽化した建物を放置するわけにはいかないという判断だったようだが、高齢者のコミュニティースペースを取り壊して民間のスポーツジム運営企業を誘致するという策は社会政策として妥当だったのか。とくに目的がなくても集まれるような場が過小評価され、スポーツ施設のような明確な目的がある施設に価値が置かれるような政策評価でいいのか。
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