アントニオ猪木氏「外交に勝利なし」断言の深い訳 本当の意味で「命を懸ける政治家」が少ない

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ムーギー:北朝鮮との国交正常化に関しては、落とし所どころとしては、現実的にどのあたりだと考えてらっしゃいますか?

北との国交正常化に向けての「猪木策」は?

猪木:まず北朝鮮の羅津(ラジン)という経済特区とケソン団地を通じて、経済面から、北朝鮮への影響力を高めることですね。これは、合法的であるかどうかグレーな領域ですが、そもそも「白か黒か」のきれいごとだけで考えること自体が、今の日本が抱える思想的な問題です。

まあ、「国家100年の大計」とは言わないにしても、「国家10年の計」は必要ですよ。

ムーギー猪木さんは本当に数少ない、北朝鮮側の視点でも物事を発信なさる方ですが、それはやはり根底には師匠の力道山が、北朝鮮出身ということで悲しい気持ちをしていたのを見てきて、その気持ちがわかるからでしょうか。

猪木:私が言うのはあれですけど、兄貴格として。

ムーギー:兄貴格?

猪木:ええ。同じ兄弟げんかじゃなくてね。日本は長男で、兄貴格的っていう感覚を持てばいい。とても難しいのですが、南北の仲裁に入れるくらいの器量を持ちたいですよね。本来器量の問題です。

ムーギー:そうした器量を日本が持っているべきなのに、日本の器が小さいと。

猪木:たぶん昔の政治家にはそういう人がいたでしょうし、経済成長しているときはよかったのですが、経済の力が弱まったときに、自分のことしか考えられなくなった。今まで日本はODAでいろいろ援助してきましたが、今は自分をどうするかで精いっぱい。結局は、本当に腹を割った対話しかないと思います。

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