アントニオ猪木氏「外交に勝利なし」断言の深い訳 本当の意味で「命を懸ける政治家」が少ない

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ムーギー:ここまでの話をまとめると、猪木さんは「相手の本質」を見抜きながら、かつ心を許しあうような信頼関係をぱっとつくる才能がおありで、今までいろんな国の首脳と会い場数も踏んできたので、そうしたやり方に体で慣れている、ということですね。

猪木:そうですね。誰もできないことをさせてもらうと。モハメド・アリともあれだけハードに戦って、結果的には「最高の親友」になったわけです。1995年には、彼を北朝鮮にも招待しましたし、私のプロレス引退のときも来てくれました

「外交に勝利なし」落とし所を本音で語れる外交に

猪木:要するに「外交に勝利なし」という言葉を私はよく使いますが、外交とはお互いがテーブルで主張するだけでなく、そのバックにはお互いの国民がいるのです。その「落とし所を本音で語れる外交」でなければいけない。今後は、周辺諸国との問題を解決するために、人間関係を深めないと。私は韓国にもつながりがいっぱいあります。

ムーギー:私のイメージでは、北朝鮮と仲良くされているので、韓国とは仲が悪いのかなと思っていました。

猪木:いえ、全然。

ムーギー:いやあ、どこの国ともネットワークがおありで。

ただ、日本と北朝鮮の両国民で首脳同士で信頼関係をつくるのは、もちろん重要だと思いますが、一部の保守派の政治家が無責任にばらまいた言説が国民の中でどんどん拡大してしまって、国内で暴走する偏見と憎悪を制御できなくなってしまっていると思うのですが。

猪木:やっぱり本当の意味で「命を懸ける、腹の据わった政治家」が少ない「命を懸ける」という言葉もよく使いますけど、政権、政党のためでなく、国家のために命を懸けるぐらいの覚悟がほしいですね。

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