「日本に貢献する研究者を手放していいのか」 京大院留学生が語る、高市政権下で《中国からの優秀な学生の"日本脱出"》が加速するワケ

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インタビューに答える中国人留学生
「私はもともと日本国籍を取得して、日本のパスポートを持つつもりでした」(写真:筆者撮影)
日本の大学院では、留学生が占める割合が大学よりも高い。大学が5%程度なのに対して修士課程では20%弱、博士課程では25%にも及ぶ。この割合は、東京大学をはじめとするトップレベルの大学でさらに高くなる。
その中で最も高い割合を占めるのは中国人留学生だ。国は留学生も含めた大学院生を増やすことを政策として打ち出してきた。ところが、2025年10月に発足した高市政権が外国人への規制強化などを検討していることを懸念して、大学院への進学を諦める動きが中国人留学生の間で出てきている。実際に博士課程への進学を断念した、京都大学の修士課程2回生の中国人留学生に話を聞いた。

外国人への規制強化受け、ヨーロッパでの進学を決める

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「私はもともと日本国籍を取得して、日本のパスポートを持つつもりでした。でも、今の情勢だと、今後ビザを更新することさえ不安になってきました。高校から日本に来て、高等教育を全部日本で受けているので、結構迷いました……。つらい選択ですが、日本を離れてヨーロッパで博士課程に進学することを決意しました」

こう打ち明けたのは、京都大学大学院修士課程2回生のAさん。中国の上海出身で、中学卒業後の2015年に日本の高校に留学。立命館大学に進学し、京都大学大学院に進んだ。

Aさんが日本に留学したきっかけは、中学生の頃に旅行で訪れた際、PM2.5による大気汚染がなかったことと、親戚がすでに日本の高校に留学していたことだった。併せて、先進国の中では学費などが抑えられることが、日本に留学することの魅力だという。

「中国人が日本に多く留学しているのは、アメリカやイギリスなど他の先進国に比べて、生活費と学費が断トツに低いからだと思います。私も実家のアパレル業がコロナ禍で倒産したために、大学院は国立に行く必要がありました。京都大学の大学院を選んだのは、世界大学ランキングで上位であり、ノーベル賞受賞者も多いからです」

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