「日本に貢献する研究者を手放していいのか」 京大院留学生が語る、高市政権下で《中国からの優秀な学生の"日本脱出"》が加速するワケ

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希望どおりに京都大学の修士課程に進学したAさんは、当初はそのまま博士課程に進学することを考えていた。しかし、外国人に対するヘイトスピーチや排外主義が日本国内に広がる中で、ヨーロッパで博士課程に進学することも選択肢に入れて検討。最終的にヨーロッパを選んだのは、2025年10月に高市政権が発足し、外国人に対する規制強化が進むことを懸念したからだった。

「最後の決め手は、高市政権が発足して、外国人政策が厳しくなると予想されることですね。

おこめ券や軍事予算を増やすといった政策にも、日本の良い未来を見いだすことができません。台湾問題に対する発言についても、私自身は政治にそんなに詳しくはなく、中国も政策自体に問題はいろいろありますが、自分の支持率を上げるために対立関係をつくることには抵抗があります。

SNSには中国に対するひどいコメントが並んでいますよね。普段はあまり気にしていないものの、やはり気持ちとしてはへこみます。高市政権を支持している人はたくさんいて、そういうコメントや発言に対して反論もできない状況ですね」

不本意ながら日本を離れる留学生たち

Aさんはヨーロッパで就労ビザを取得できる博士課程に進むことを目指している。一方で、周囲の中国人留学生にも、不本意ながら日本を離れることを検討している人が増えていると話す。

「私の周りにいる留学生も、中国にいる家族から早く帰ってきたほうがいいと言われて、日本を離れることを検討せざるをえなくなっています。私自身は、中国は経済も良くないので、中国に帰るつもりはありません」

日本の大学院では学生に占める留学生の割合は、学部よりも高くなる。しかも、トップレベルの大学ほど高く、その大半を中国人留学生が占めている。

東京大学では2025年11月1日時点で、修士課程の学生のうち、永住者等を含まない留学生の割合は約24%。博士課程では約34%まで上昇する。

また、大学院に在籍する中国人留学生数は約3000人で、留学生全体の7割を超えている。

※外部配信先ではグラフを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください。

【東大】修士課程+博士課程の留学生地域別(グラフ:東京大学の発表より作成)
【東京大学】修士課程+博士課程の留学生地域別内訳(グラフ:東京大学の発表より編集部作成)
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