仕事を選びたい
警備会社に新しく入った鮫島壮十郎という男が、「仕事を選びたい」「納得できる場所を警備したい。命令されれば、なんでも守るというような仕事はしたくない」と言い出す。周囲は「そんな勝手なこと」「つまんない倉庫の警備なんか誰も行かなくなっちゃうだろうが」とあきれる。しかし、上司の吉岡司令補は、壮十郎の要求を受け入れる。壮十郎は前の会社で、重役から内命を受けて、下請会社の倒産を仕組んだ。下請が持っている特許を親会社が手に入れるためだ。一家心中しそこなった人まで出た。「二度と、命令だからどんな仕事でもするという働き方はしたくない、と思いました」
吉岡は反対する幹部たちに「命令を黙って聞く人間しかやとわんというのは情けなかないかね?」と言う。自分たちも仕事を選びたいと押しかける他の部下には「自分で悩んで、条件をつきつけて来た人間と人が成功したのを見て尻馬に乗って来た君たちとでは本質的にちがうんだ」と受け付けない。
壮十郎はある会社の夜警の仕事につく。近くに別の会社の女子寮がある。夜、女性の叫び声が聞こえた気がする。壮十郎と仲間の警備士は、警備している会社の敷地内をくまなく調べる。何事もない。



















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