現行犯逮捕!広末涼子容疑者はなぜ当初「自称」と報じられたのか――元・事件記者が徹底解説

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事件報道の裏側
「自称」とはいったいなんでしょうか(写真:bankrx/PIXTA)
4月8日、俳優の広末涼子容疑者が現行犯逮捕された。静岡県内で追突事故を起こし、病院で治療待ちの際に看護師の女性にけがをさせた疑いだという。
当初は「自称」と報道されたことから、違和感を抱いた人も多いのではないだろうか。産経新聞社で長らく事件報道を担当し、昨年『事件報道の裏側』も刊行した三枝玄太郎氏はつぎのように分析している。

容疑者の「自称」とは?

今回、広末容疑者はなぜ「自称・広末涼子」と報じられたのでしょうか? おそらく広末容疑者は追突事故を起こして病院に運ばれた際、本人あるいはマネジャーから「この人は広末涼子だ」と聞いていたのだと思います。

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現場の病院に駆け付けた警察官も「広末涼子」というアイドルを知っているでしょうから、目の前にいる女性が「広末涼子」の可能性が高いとは認識していたでしょう。

ただ、おそらく彼女は免許証を不携帯だったのではないかと推測できます。救急車に乗せられた際に乗用車に置いてきてしまったのかもしれないし、もともと免許証を持っていなかったのかもしれない。

いずれにせよ、公的な書類で証明できるものがなかったので、「自称・広末涼子」となったものだと思います。

看護師さんに対する傷害事件は未明に起きました。おそらく発表も早暁の時刻だったでしょう。僕は産経新聞社で静岡を振り出しに記者人生をスタートさせましたが、静岡辺りでは、夜の10時にもなると、全国紙の支局では記者がほとんどいなくなると思います。

そこからは当直態勢といって、通常は各社1人の記者が泊まっています(地元に本社を置く静岡新聞などを除く)。

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